スリランカに滞在していたときに驚いたことの一つが、女性が駅のホームで授乳していたこと。
駅のホームといっても日本のJRのホームのように込み合っているわけでもなく
もっと広々のんびりしている雰囲気でしたが、すぐ隣の隣くらいにおそらく他人の男性が座っている横で
ハンカチで覆いつつも授乳している姿がとても自然で、私にとっては衝撃でした。
もし同じことをJRのホームでしていたら・・・と考えると
まず電車が数分おきに行き交う中では赤ちゃんも落ち着かないだろうし物理的に無理かもしれませんが、
おそらく周りの視線が気になってしまうと思うのです。
女性はともかく、男性にじろじろ見られるのではないかと。
実際見る人がいると思います。
電車の中で男性がアダルト雑誌を堂々と読む日本ですから。
百貨店の授乳室にも「部外者は入室をご遠慮下さい」と注意書きがあるくらいなので、
部外者なのに入ってくるひとがいるからこんな貼り紙がされるのだろうと考えてしまいます。
彼に、スリランカでは公衆の面前で授乳している人がじろじろ体を見られたりすることはないのかと聞いてみると、
「そんなことはない。授乳している人をじろじろ見るのは恥ずべき行為」との答えが返ってきました。
とはいえ、スリランカにもバスの中などに痴漢はいるようなんです。
込んでいる電車に乗ったことはありませんが、バスはかなりの確率でいつも込んでいるので、いるようです。
でも彼がいうには、
「母親として子どもを育てていることはとても立派なこと。みんな赤ちゃんに授乳する女性をリスペクトしている」
そうです。
確かにスリランカの人たちを見ていると、子供は社会のもの、という概念が日本よりもずっと強い気がします。
彼の子供のころの話を聞いていても、本当にたくさんの人の話がでてきて、
子供のころから両親以外のたくさんの大人と触れ合って育ってきたことを感じます。
それに女性へのリスペクトにしても、日本の男性の数倍いっているのではないかと。
私の知っている限りスリランカの男性は女性をすごく大事にするし、
スリランカの女性もそのことを喜んでいるように見えます。
全く話は飛ぶんですが、今月号のNUMEROのGactのインタビューで、
「女性が男性の3歩後ろを歩く」というのは、決して男性主導で女性はついていくしかないという意味ではなく、
後ろにいる女性を守るために男性は前を歩く、SPが大統領の前を歩くように、と話していてなるほどと思いました。
そのことを勘違いした男たちが「女は男の後ろを3歩下がってついてこい」と威張っているだけなのだと。
スリランカにももちろんいろんなタイプの方がいるかと思いますが、女性は守り敬う存在という考え方をする人が
多いからこそ、女性が外で授乳をしやすい環境づくりにもつながっているのかなと感じました。